第二回目となる松尾設計室×ノーブルホームの研修が5月10日に、ひたちなかテクノセンターにて行われました。
お施主様が家づくりで求めるものとは?
前回の研修でも出ていた、なぜ「高気密高断熱の家」が必要なのか?
今回も家づくりの本質に立ち返る研修でした。
「家をつくる」という物としての考え方ですと、建築時の設計費用だったり工事費用だったりと、目に見えるお金を気にしてしまいます。
しかしお施主様が求めるのは、「家」という物ではなく、そこで過ごすことができる「暮らし」ではないでしょうか。
「暮らし」という”コト”としての考え方になると、費用は目に見える費用だけではなく、
光熱費だったり、または数十年後におきるであろうメンテナンス費用、もしくは家庭環境が変わってリフォームや建て替えにまで考えは及ぶでしょう。
我々は家づくりのプロであるからには、そういった先の先まで、目に見えない費用まで考えなければいけません。
高断熱、高気密、パッシブ設計だけではまだまだ70点止まりです。
住宅の高性能化と合わせて、上手な冷暖房計画こそが光熱費上昇に対策できる方法と学びました。
家づくりは物理の考え方
高気密高断熱というのは数字で表せることはご存知でしょうか?
C値という相当隙間面積は建物の気密性能を示す指標ですし、
Ua値は外皮平均熱貫流率という建物の断熱性能を示す指標です。
C値は実際に建物を建てた後に実測をすることで計測をしますが、Ua値については
設計段階で計算が可能です。
実は、高気密高断熱の家から生まれる「快適な暮らし」は全て計算が可能なのです。
さらに、高気密高断熱の家では隙間が少ないので、家の中でのエアコンなどの冷暖房計画がしやすい特徴もあります。
この冷暖房計画さえも元を辿れば空気の流れなので物理で計算ができるのです。
専用の演算ソフトを使って、どこにエアコンをつければいいのか?どのような流れで空気を流せば良いのか?
その最適解を計算により導きだすことで快適な暮らしと、効率的な冷暖房効果を生み出すことができます。
空気の流れが読めるようになれば、湿気から生まれるカビなどの原因にも対策ができるので
メンテナンス費用を抑えたり、その回数を減らしたりと様々な活用ができます。
物理を制し、エネルギーの働きを正しく理解することで、最適な暮らしの提案ができることを
改めてより深く知る機会になりました。
より良い住まいを、より良い暮らしをご提供できるよう頑張ってまいりますので
この後もご期待ください!